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HLSL エフェクトファイルの作りかた

HLSLを使ったシェーダプログラミングを紹介しています。サンプルコードあります。

HLSL エフェクトファイルの作りかた

シェーダプログラムが記述されたファイルはエフェクトファイルと呼ばれます。
これからエフェクトファイルの作り方を紹介していきます。

エフェクトファイルのフォーマット

フォーマットはテキスト形式です。
拡張子はDirectXSDKにならって「.fx」とします。(拡張子は違っていても動きますが・・・)

エフェクトファイルに記述する内容

・グローバル変数

HLSLのグローバル変数を記述しておくことで、アプリケーションからHLSLへデータを渡すことができます。
座標変換のための行列やテクスチャ、ライトなどの情報をアプリケーションから受け取ります。

・テクスチャのサンプラ

グローバル変数に定義したテクスチャの拡大縮小時などにおけるサンプリング方法を指定します。

・頂点シェーダ

頂点シェーダの出力結果となる構造体と、頂点シェーダプログラムを記述します。

・ピクセルシェーダ

ピクセルシェーダの出力結果となる構造体と、ピクセルシェーダプログラムを記述します。

・テクニックとパス

頂点シェーダとピクセルシェーダの組み合わせを定義したものをパスと呼びます。
パスを一つ以上定義してグループ化したものをテクニックと呼びます。
テクニックやパスは用途に合わせて切り替えながら運用することができます。

HLSLのエフェクトファイル記述例

下に掲載しているエフェクトファイルはHLSLでのシェーダプログラミングで紹介したサンプルと同じものです。

頂点シェーダでグローバル変数の行列を使って座標変換します。
ピクセルシェーダにはカラーとモノクロ表示を用意しました。パスを切り替えて使います。


 //グローバル変数
 float4x4 g_mWorldViewProjection; //座標変換行列
 texture  g_Texture;              //テクスチャ

 //テクスチャのサンプリング方法
 sampler MeshTextureSampler =
 sampler_state
 {
     Texture = < g_Texture >//対象のテクスチャ(外部から受け取ります)
     MinFilter = LINEAR; //縮小時のサンプリング(LINEAR→線形補完)
     MagFilter = LINEAR; //拡大時
     MipFilter = NONE;   //ミップマップ

     //テクスチャアドレッシングモード
     AddressU = Clamp;	//(Clanp→0~1以外の座標の時に端っこのピクセルをひきのばす)
     AddressV = Clamp;
 };

 //頂点シェーダの出力出力定義
 struct VS_OUTPUT
 {
    float4 Pos : POSITION;
    float4 Diffuse : COLOR0;
    float2 TexUV : TEXCOORD0;
 };

 //頂点シェーダ処理(主に座標変換)
 VS_OUTPUT RenderSceneVS(
     float4 Pos : POSITION,
     float4 aDiffuse : COLOR0,
     float2 vTexCoord0 : TEXCOORD0 )
 {
     VS_OUTPUT Out;

     Out.Pos = mul(Pos, g_mWorldViewProjection);
     Out.TexUV = vTexCoord0;
     Out.Diffuse = aDiffuse;

     return Out;
 }

 //ピクセルシェーダ出力定義
 struct PS_OUTPUT
 {
     float4 RGB : COLOR0;
 };

 //ピクセルシェーダ処理(テクスチャ色に頂点色を合成)
 PS_OUTPUT RenderScenePS( VS_OUTPUT In )
 {
     PS_OUTPUT Out;

     Out.RGB = tex2D( MeshTextureSampler, In.TexUV ) * In.Diffuse;

     return Out;
 }

 //ピクセルシェーダ処理(テクスチャ色に頂点色を合成してモノクロ化)
 PS_OUTPUT RenderScenePSMono( VS_OUTPUT In )
 {
     PS_OUTPUT Out;

     //テクスチャのピクセル色に頂点色を合成した色
     float4 color = tex2D( MeshTextureSampler, In.TexUV ) * In.Diffuse;

     //モノクロ化にするときのRGBの分担割合。
     float4 tomono = float4( 0.298912, 0.586611, 0.114478, 0.0 );

     //テクスチャのピクセル色に頂点色を合成する
     Out.RGB = dot( color, tomono );

     //アルファ値だけは元のテクスチャに戻す
     Out.RGB.w = color.w;

     return Out;
 }

 //テクニックとパス
 //複数のテクニックやパスを定義すしてシェーダプログラムや引数を切り替えることができます。
 technique RenderScene
 {
     //カラー表示の場合
     pass P0
     {
         VertexShader = compile vs_2_0 RenderSceneVS();
         PixelShader = compile ps_2_0 RenderScenePS();
     }
     //モノクロ表示の場合
     pass P1
     {
         VertexShader = compile vs_2_0 RenderSceneVS();
         PixelShader = compile ps_2_0 RenderScenePSMono();
         }
 }

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